ここ数日間の大風により隆起した、大浜海水浴場の砂の地形のならし作業が、夏シーズンへ向けて行われました。
壱岐島砂浜会では、ここに自生している植物「ハマボウフウ」の苗と種を、一旦保護のために採取することにしました。「ハマボウフウ」は、近年全国的に自生地が著しく減少しており、環境省レッドリスト“絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)”に指定されています。
もちろん大浜のハマボウフウは、地元の方々から大切にされてきました。地主の方も種が実るたび、絶えないよう砂浜に植えてきました。それでも昔に比べて、随分数が減っているといいます。
ちょうど今、種を付ける時期のハマボウフウ。
とにかく、それらしい葉を見つけては、苗を周りから掘っていきます。掘って掘って。みんなで汗だく。真夏の太陽は、容赦ありません。本当に小さな植物。でも、根っこはすごいぞ。
この植物の根っこはとても深く、苗を傷つけずに採取するのは難しいです。先日の大風で砂に隠れていて、なかなかみつかりません。
だからこそ、こういった植物を人の手で育てるのはなかなか難しいのです。ここでは、砂地でしっかり根付いています。自然は偉大としか言いようがありません。勉強になります。
ハマボウフウの種。
海はすぐそこ。塩分に適応してるんだなぁ。
会長は、この暑さでも笑顔。ぜんぜん平気みたい。
さて、苗はこれくらい採取できました。突如自然の砂浜から掘り出されたこの子達を、上手に生かせるかわかりませんが、近所のハウスでお世話をします。
なにより今回、種をたくさん採取できました。この子達を保護して、みんなで種まきしたらきっと増えてくれるよね。ハマボウフウの種まきに適した時期(来年の5月〜6月)に、また自然の場所へ戻します。
大風で盛り上がってしまった砂が重機で慣らされて、かつての大浜の風景に少しもどってすっきり。今は重機の足跡が残り少し痛々しいですが、すぐに風で自然にもどることでしょう。
この一帯で生息するハマボウフウは、“絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)”の指定を受けている、とても希少な植物です。
壱岐島砂浜会では、地元のみんなで可能な限り、このハマボウフウを保護していきたいと思います。ご理解とご協力をお願い申し上げます。